主戦場を決めない勝ち方
- サクライユウコ
- 2018年6月13日
- 読了時間: 7分
大学時代、テレビはなかったがパソコンはあった。
ちょうど無料映像配信が流行りだした頃で、
地上波の番組は観られないが、
チャンネル独自の番組を観ることが出来た。
ヨシモト∞は当時よく観ていて、
オリラジあっちゃんの人間くさいところが好きで、
トータルテンボスやライセンスのフリートークが好きで、
少しずつ芸人さんを覚えていった。
当時のことを思うとトレンディエンジェルが今テレビにたくさん出ているのはなんだか感慨深い。
ハマったらエンドレスリピートを厭わない性格で
当時は○月×日放送分と聞けばどんな内容か思い出せるくらい
繰り返し繰り返し視聴していた。
ライセンスのフリートークは特に大好きで、
地上波であまり観られないのが悲しいなと思っていた。
そういえば、他のサークル員とお笑いの話をした記憶がない。
一度だけ∞ホールに遊びに行ったこともあるけど
その頃には生放送のフリートークライブは終わっていて
普通のネタライブに変わっていた。
おそらく2009年の春あたりかと。
しっかり考えなければ2009年あたりから
結婚して室蘭に来るまでの記憶が
あまり整理できていない。
仕事して、バンドやって、寝て、仕事して。
ずーっとイラついているようなそんな生活だったように思う。
そんななかでも結婚した頃就いていた仕事には
やりがいもあったし楽しい思い出もあるが、
その前にしていた仕事は拘束時間が長く、
通勤時間も長くてうんざりしながら歩いていた。
当時やっとiphoneが手になじんで
Podcastというアプリを発見した。
そのなかで、TBSラジオJUNKに出会った。
正しくはPodcast用に収録した15~20分くらいの番組だが
ランキング上位に入っていたバナナマンは違った。
40分はザラにある。だいたいが1時間超え。
本編(2時間)より長いPodcastが何回あっただろうか。
とにかく、長い。
ラジオと言えば、
小学生時代に聴いたSTVラジオのスーパーランキングだとか
中学時代、GLAYのTAKUROのラジオを短期間聞いていたくらいで
高校に入ってからはすっかり離れていたのだ。
私は恥ずかしながら、ANNを聞いたことがない。
そんなラジオ初心者の私が、Podcastであっという間に心をわしづかみにされた。
そして、バナナマンが大好きになった。
当時は遡れば1回目から聞けたので、
バナナマンのPodcastは全てダウンロードして
全話を少なくとも8周は聞いた。(何年分だ!)
それまでバナナマンの印象は例にもれず
日村さんの「子供のころの貴乃花」であったので、
設楽さんの存在の新鮮さ!(失礼すぎる)
そしてその話術に夢中になった。
当時はPodcast内でビンタが流行っていたので
よくビンタ戦争が勃発していたが、
設楽さんのビンタの恐ろしさと、
ビンタされる人を決めるまでの話のうまさが、
流れの作り方が上手すぎた。
3週連続でオークラさんがビンタをくらった回とか
むちゃくちゃで最高だ。
TBSラジオが北海道でも聞けることにようやく気付き(アホすぎる)
リアルタイムでラジオを聴き始め、
生放送が終わった後、「今頃Podcastを録ってるのかな」と思いをはせることもあった。
(アホすぎる)
ラジオには作家のオークラさん、ADドロボー、ADジャニオタなどスタッフ陣がたくさん出てくる。
メールの送り主たちも常連さんが多い。
年末の歌合戦では思いがけない人が登場したり、
日村さんの誕生日回では星野源の弾き語りも。
(SUNやFamily Songを初めて聞いた時の高揚感たるや!)
初期はよくSPWが出演していて、
それもかなりお気に入りだった。
最近は、乃木坂ちゃんの話題も多くて、
私でさえ数人の顔と名前を覚えられた。
仲間に入りたいと思わせる、程よい内輪ノリが
バナナマンの魅力だと思うのだ。
ここ数年でもバナナマンの印象(特に日村さん)は変わった。
とても穏やかなひとになったなぁと思う。
そうなるともちろんテレビも見る。
ちょうど設楽さんの朝の帯番組が始まったころで
年間テレビ出演ランキング上位に名を連ねていたので
見る番組見る番組バナナマンが出ていた。
特に金曜日はノンストップ→いいとも→JUNKの
生放送が3つもあって、朝から深夜までフル稼働。
さらにバナナTV(インターネット配信番組)でロケに出たり、
(海外からJUNKをやっちゃう、なんてことも!)
夏には恒例の単独ライブで舞台に立つバナナマンが観られる。
合間には雑誌の撮影、映画のコラム、ドラマの仕事。
もちろん朝の帯番組、レギュラー、準レギュラーの
バラエティのお仕事はたくさんある。
いつ寝てるんだろうか。露出だけでこんなにあるのに!
驚愕だ。
映画のコラムを書くには映画を見なければならないし、
ドラマに出演するにもセリフを入れたり撮影に時間がかかるし、
ロケは移動があるし、放送されている部分だけ撮影しているわけではない。
単独ライブのネタづくりは1か月前くらいから本腰を入れているようだったが
ビジュアルの撮影、タイトル、物販のアイディア出しから完成に至るまで
びっくりするくらい時間がかかるはずだ。
昔は特に自分で全部みないと気が済まなかった、と言っているので
なおのこと時間がかかったはずだ。
おそろしい。
テレビ、ライブ、雑誌、ラジオ、文章と
バナナマンの活動のフィールドは多岐にわたる。
どれでもすごいのだ。
紙面でも、テレビでも、ラジオでも、舞台でも。
どこでも、すごいのだ。
バナナマンの出演番組で一番好きだったのは
二人が舞台で立ちでトークするバナナ炎→バナナ炎炎だ。
観覧のお客さんを入れて舞台でトークする番組は
ずっと続けていてほしかった。
と、今も思っている。
(続けているさまぁ~ずさんのすごさ!)
今こんなにテレビに出ているバナナマンも、
最初はライブばかりやっていたという。
ライブシーンではすでに話題になっていたようで
単独ライブもお客さんががっちり入っていたらしいが、
テレビに出たくてこの仕事を始めたのに
なかなかテレビに出ていけない自分たちを思うと
「テレビなんて」と思ったこともあるらしい。
今やテレビで見ない日はないバナナマンの
単独ライブは毎年夏の恒例で、
それは今も続いている。
昔は全国ツアーなどもあったが、
今は東京だけ。
20周年のときに全国ツアーがないかな、と思っていたが
それは叶わなかった。
しかし、東京03とのユニットライブや03のライブへのゲスト出演など、
コントライブへの熱は今もなお高い。
昔は「テレビに出られないなら、ネタ書いて、ライブしないと。」と。
若いころはずっとそんな気持ちでいたようだ。
だから若手にも、同じことを言う。
「若手は面白いネタ作るしかないんだよね。」と。
養成所からデビューしたコンビではないので、
「お笑いの学校って、なんだ?」と思っているようだ。
ライブでは2人で5役を回したり、(日村さんの3役は特に素晴らしかった!)
女役をやらせたら、ふたりともが「いるいる!こういう女性!」と思わせる
演技力の高さもバナナマンの売りだ。
設楽さんは現在、司会業が多くてそのイメージが強いが、
ひな壇でも存在感がある。
日村さんはがっちりのバラエティを中心に、
演技のお仕事や、ロケのお仕事をされている。
そんなふたりはラジオで、ライブで、息の合った掛け合いをみせてくれて
とても安心する。
今や売り出す方法は1面ではない。
が、売り出したいチャームポイントも1面では足りない。
以前では「低空飛行芸人」「じゃない方芸人」と言われていた設楽さんも
いろんなチャームポイントが今につながっている。
設楽さんは「続けることも、才能のひとつだよ。やめちゃったら全部終わりだから」と言う。
「自分を見極めることも大事だけどね、いつ売れるかなんてわかんないんだから。」
「だったら、続けて確率をあげたほうがいいでしょ。続けて本気で、面白いネタを書き続けないと。」
「ほんといつ売れるかは誰にもわからないんだから。」
何が起こるかわからない。何がきっかけになるかわからない。
でも売れ続けている人には「セルフプロデュース力」があると思う。
設楽統はバナナマンをプロデュースした。
「日村さんの存在を世界に知らしめること。これが俺の使命。」
こんな名言が、あるだろうか!
次回は、「凪いでいても荒れていても美しい、肯定と浄化の風景」について。
では、また。
『主戦場を決めない勝ち方』バナナマンについて
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