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主人公であることの必要性

  • サクライユウコ
  • 2018年6月27日
  • 読了時間: 5分

今思えば、学ぶ機会が多かったものだなぁと思うけれど。

私の”はじめての好き”は、姉がきっかけのものが多い。

私も姉も、熱しやすく冷めやすいところがあるが、

ハマってしまうとしばらくはそれ一色になってしまう。

姉は中田英寿が好きでイタリア語を勉強し、私を連れてイタリア旅行へ行った。

スヌーピーが好きでぬいぐるみやキャラグッズを購入し、部屋をスヌーピーだらけにしていた。

水曜どうでしょうにハマり、部屋にムンクさんが居た。

(当時東急ハンズで番組のものよりは小さいムンクさんが売られていたが、

姉は番組内で使用された大きいサイズのものを連れて帰ってきた。

ベッドサイドにたたずむムンクさんの怖さは、番組内で大泉さんが語っている。)

TEAM NACSが大好きで森崎さんのワークショップに行ったり、

森崎さんのラジオにまで出演したこともある。

私は特にイタリアがいっちばん好き!ということはないが、旅行出来たのはとてもいい思い出だし、

スヌーピーは今でも大好きだし、

どうでしょうも北海道民らしく好きだし、

森崎さんと写真を撮っていただいたこともある。(懐かしい)

UNICORNも、小沢健二も、Bjorkも、電気グルーヴも、

お芝居を観るのも、ピアノを弾くのも、好きなのは姉の影響だと思う。

また、姉は自分の好きなものを薦めたい人である。

もともとお芝居を観に行くきっかけはTEAM NACSであるわけだが、

それが札幌の劇団まで広がったのは、

姉が「どうしても観てほしい」と私を『劇団千年王國』のお芝居へ連れて行ってくれたからだ。

(ちなみに言うとそこで衝撃を受け、しばらく私は千年王國の芝居を見続けていた。

姉に至っては出演までしている。なんという行動力だろうか。)

7歳年上の姉が私の”好き”という感情の基盤を作ったとしたら、

その姉が”好き”と思うものを、私が否定することはないのだろうと思うのだ。

姉は絵を描くのがとても上手な人で、

(私はこの点について大変憧れを抱いている。)

漫画を読むのも好きだったんだと思う。

当時の私の年齢としては「なかよし」や「ちゃお」、「りぼん」が

月刊少女漫画雑誌の主流だったはずだが、

姉が「別冊少女コミック」を買っていたので、

私は『マーマレード・ボーイ』や『こどものおもちゃ』や

『赤ずきんチャチャ』などを知らず、

『BASARA』や『ラヴァーズ・キス』や『風光る』などを愛読していた。

別コミの漫画はどれもおもしろかった。

好きで単行本を買った先生もいた。

なかでもお気に入りだったのが、中村かなこ先生の『ハイエナ小町』だ。

すっとんきょうな学園で、すっとんきょうな人たちが

わいわい喧嘩しながら泥臭く、けれど一生懸命輝いている。

そんな漫画。

キャラクターそれぞれに「大好きだ!」と叫びたくなる。

そんな漫画。

ほかの読み切り作品でもおおいに泣いた。

感情に「嫌だな」の火がついたはずなのに

いつのまにかその火が大きく、色を変えて、「手を貸したい」「助けたい」に変わっていく。

そこにはいろんな決断があって、

何も変わらない結末もあるし、何かが変わる結末もある。

変わるなら、その変化を笑顔で楽しめばいい。

変わらなければ、「そんなもんだよ」とわらって受け止める。

人生は、そんなもんだと思うのだ。

好きになったら遡れの精神で、

わたしはやっと、中村先生の漫画『ハイテンション根性ERS』シリーズにたどり着いた。

1組のお笑いコンビと1人の元アイドルが

番組をきっかけに出会い、ぎゃーぎゃーどったんばったんして、

不器用に恋をして前へ進む。

と、ざっくりいうとこんな感じだ。(すみません)

このシリーズの登場人物には商品としての成功もあれば、

商品・人間としての挫折もある。才能や環境に対する諦めもある。

それでもコンプレックスを抱えながら、きらきらした舞台に挑んでいる。

特に描かれて素敵なのは友情とライバル心、兄姉への親愛と反発。

そして、大切な人のために自分で歩くことを見失わないこと。

ぐさぐさ。ぐさぐさくる。

やことみくはとてもいい関係。

木戸と順平もとてもいい関係。

ただのビジネスだけの間柄じゃなく、友達だから負けたくない。

それもとってもよくわかるなぁ。

と、みくや順平に感情移入したり。

わかる。すごくよくわかるよシンタロー。

歳が離れていたって、負けたくないもんなぁ。

と、木戸の弟に感情移入したりして。

今も続けていることは、

誰に強制されるでもなく、続けているのは好きだからだ。

それは決して、兄姉と勝負するためにしていることじゃないんだと。

つらいことや悔しいことばかりだけど、

好きならそれで自分と向き合えばいい、と改めて思えたり。

と、ぎゅうぎゅうしめつけられたりほわっとさせられたりしながら

そんななかでも一番思い入れの深いエピソードは、

順平の姉とショーゴさんのお話。

名古屋時代の、昔話だ。

相手の存在や夢に依存するのではなく、

自分で歩くことを見失わない人の美しさを

笑顔いっぱいに描いている。

大切な人の隣で歩くには、諦めてはいけない自分の夢。

行く道が分かれたとしても、自分の足で立ち、

歩いて行く力を身につけることが必要なんだと改めて気づかされる。

そういう誰もが持っていたはずなのに、

大切な人のために知らぬ間にこぼれてしまった大切なことを、取り戻させてくれる。

手を離された側は、自分の夢をつかみながらも、彼女を細く、長く引きずって生きている。

手を離した側は、悲しみを胸に抱えながらもそれを乗り越えて、自分の両足で前に進む。

二人とも自分自身の夢を叶えて、自分の足で歩いている。

“幸せのなかで歩き方を学んでいる。”

連れて行ってもらうのは簡単だ。

そうじゃなくて、自分の両足で進むことが大切。

そんなことをまた気づかせてもらって

詞を書いた曲がある。

うまく曲のなかで描けたかは聴いてくれた人の判断になるけれど、

泣かない彼女が流した涙は

自分の夢を“わたしのゆめ”に重ねた彼を

悲しく思ってしまったんじゃないか、

自分の夢を追いかける姿を失ってしまった彼を、

失わせてしまった自分を、

悲しく思ってしまったんじゃないか、と思う。

だから、男も女も関係なく、一生涯をかけて、

自分の足で歩いて行かなくてはいけないんだということが

伝わっていると嬉しいなと思う。

きっかけが誰でも、歩いていくのは自分自身だから。

自分の夢を、大切にしてほしいと思う。

自分もそうしたいと思う。

次回は、「くるまれたい包まれたい、さらさらのぬくもり」について。

では、また。

『主人公であることの必要性』4points・ブラックスター・ダイオプサイドについて


 
 
 

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