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どこから湧いても、どこへ流れても、

  • サクライユウコ
  • 2018年6月20日
  • 読了時間: 3分

いつからそうなのか、と言えばおそらく

川の近くの一軒家に引っ越した時からだから

幼稚園に入る前のことになるだろうと思う。

水のある風景が好きだ。

根室市で生まれ、1歳になる前に札幌に引っ越しをして

中央区に住んでいたらしいが一軒家を購入して南区に移った。

家のすぐ近くに川が流れていて、

純粋に「この川を上って行ったらどこまでいけるのか」と、

確かめに行くような子供だった。

すぐ脇に山があって薄暗く、

見たことのない場所へ行くこと、たった一人で行くことに恐怖しながら

やめたらいいのに興味が勝って、よく川辺を上った。

今や護岸工事が入り、上流にはランナーのための道が作られたが

当時はあまり整備されていなくて

足元は泥まみれになった。

虫や魚が好きだったわけではない。

ただ水が流れるのを見ているのが好きだった。

小学校にあがり、一気にひろがった遊び場。

国道を挟んで反対側へ下っていくと、

ダムから続く大きな川がある。

大雨になると警報がなり、近づかないように指導されるので

晴れの日を選んで、どきどきしながら座り込んで川の流れを眺めていた。

家の近くの川とは比べ物にならない規模で

ごうごうと音を立てて流れるこの川は

苛立った気持ちを肯定してくれるような気がした。

湖も好きだ。支笏湖や洞爺湖は身近な存在だった。

親戚がいるので摩周湖にも縁があった。

霧で全くなにもみえないこと、

快晴で圧倒的な青色が恐怖を呼んだこと。

摩周湖はいつも違う顔を見せてくれる。

小さいころに沖に流されたらしいが海も好きだ。

海がない街に暮らしていたので、

車の免許を取ってからは行動範囲が広がって

海に行く機会も増えた。

今住んでいるこの街にも海があって、

特に昨年度は職場から

海と空の鮮やかな青にかかる、大きな橋の白が映えて

毎日穏やかな気持ちで家路につくことができた。

霧に包まれることの多い街だが、海だけでなく、夕陽も美しくて悪くない。

自宅から少し走れば、また違うお気に入りの橋がある。

線路をまたぐ橋を海に向けて下ると

一面に広がる青が大好きで、

わがままを言って通ってもらったりした。

緑色の街灯と、真っ青な海と空がとても美しい。

わくわくする。わくわく。

滝も好きだ。

先日念願かなって奥入瀬渓流を再訪した。

至る所に滝があって、

川の流れも美しくて、清々しく、本当に素敵な場所だった。

美瑛の青い池は言わずもがな美しいが、

その上流にある滝は青白く光っていて、それもまた美しい。

鍾乳洞はこの年で初めて訪れた。

龍泉洞はどうしても行ってみたかった場所だったので

無理にでも行ってよかった。

静かに、昏々と湧き、流れていく透明度の高い水。

でこぼこの岩面から滴る水。

岩を穿ち、岩を削り、長い年月をかけて流れを作ってきた。

まだまだ調査中の、神秘的で心穏やかに過ごせる場所だ。

遠くから眺めても、

その流れの中に入っても関係なく、

昏々と湧き、

高いところから低いところへ流れていく。

こちらが手で遮ってもその性質は変わらない。

澱んだ水は腐る。地に沈み込むこともできない。

出来ることなら私も、可能な限り動き続けていたい。

実をいうと最近は、山に興味がわき始めている。

雨を受け、その身に含ませてまた流れを作る。

山にはたくさんの命がある、

清々しい空気はわたしを浄化してくれる。

圧倒的な自然を心身に取り込みたい。

初心者に付き合ってくれる人、

アドバイスくださる方は、ご一報ください。

次回は、「男も女も、生涯をかけてひとりで歩く練習をしなければならないこと」について。

では、また。

『どこから湧いても、どこへ流れても、』肯定と浄化、水のある風景について


 
 
 

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